続編「独臂拳王大破血滴子」(邦題「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」)に登場するヨガの使い手は「ブラックフェイス」、つまりは中国人が顔にドーランを塗ってインド人に扮しているのだった。インド人にはどちらかというと顔が小さい人が多いが、この黒塗り中国人はかなり顔が大きく、どう見てもインド人には見えない。最近では、差別的表現で文化的配慮に欠けるなどと批判の対象となっているが、かつての日本でも同様のことが行われていたのを、中山仁が亡くなった際に思い出した。彼がバレーボールのコーチ役をしていた「サインはV」で、故・范文雀が顔に不自然な黒塗りをして混血孤児ジュン・サンダースを演じていたことを。孤児院で育てられたジュンは、劇中で骨肉腫で最終回を待たずに死んでしまう。そんな悲劇的な運命を背負ったせいで范文雀は全国的な人気を得たが、皮肉なことに本人も悪性リンパ腫で亡くなってしまった。なお「サインはV」は、準ヒロイン役の范文雀が台湾籍だっただけでなく、ヒロイン役の岡田可愛が韓国籍で国際色豊かなドラマであったことは最近になって知った。
村上由見子「イエロー・フェイス―ハリウッド映画にみるアジア人の肖像」 (朝日選書) については、改めて書きたい
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