かのウォールストリートジャーナルの記者が、コロナウイルスの感染に悩む「中国は真のアジアの病人(
China Is the Real Sick Man of Asia)」と報道したことで、中国共産党政府から国外退去を命じられた。「アジアの病人」とは、清末に阿片中毒で痩せ衰えた中国人、病んだ中国国家を、海外列強が蔑んで呼んだものである。
「アジアの病人」を中国語で表すと「東亜病夫」になるが 、ブルース・リーの主演した香港映画「精武門 (邦名: ドラゴン怒りの鉄拳)」で、上海に進出した日本の柔道道場の門弟が中国武術の道場を馬鹿にするのに「東亜病夫」と書かれた額を贈るシーンがある。この映画は1972年の作品なので、ほぼ半世紀を経て、忘れられていた「東亜病夫」の言葉が老いた人々の記憶から蘇ったことになる。よりによって、2020年はブルース・リーの生誕80周年にあたるのであるが、今回は新型肺炎に苦しむ中国人、感染拡大を許した習近平政権、さらにサプライチェーンが寸断されて今や瀕死の中国経済を揶揄したものとなっている。
東亜病夫については、京都大学人文科学研究所 高嶋航氏の論考がたいへん参考になる。
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