2020年2月26日水曜日

吸烟する婉容

ラストエンプレスとも呼ばれる婉容は、辛亥革命による清朝滅亡後、廃帝溥儀と16歳にして結婚、今でいうアイドル級の美しい容姿にもかかわらず、同性愛者の溥儀には全く相手にされず、40年に満たない短い生涯の後半生を阿片を友として生きた。横たわり煙管を持ち吸烟する姿を撮影した写真が残されているが、心なしか目は虚ろで生気は感じられない。もはや生ける屍という感じだ。



満州国の首都だった長春(旧・新京)において溥儀の住んだ皇宮、緝熙楼は偽満皇宮博物院として一般に開放されており、寝椅子に横たわって阿片を吸う婉容の蝋人形が展示されている(展示されていないときもあるらしい)。ここでは上の写真の姿がほぼ再現されている。


溥儀と婉容を世界に知らしめたのは、中国共産党の協力のもとで北京紫禁城で撮影されたベルナルド・ベルトルッチ監督作「ラストエンペラー」であろう。但し史実とは異なる創作も多く、婉容は阿片に溺れるとともに川島芳子との同性愛にも耽っていたことになっている。以下のような耽美的なシーンが創られている。阿片を吸う煙管が実際に比べて細過ぎるのにも注目。



婉容/文綉傳:中國末代皇后和皇妃

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