2020年2月20日木曜日

卵と貝殻

マン・レイの撮った「卵と貝殻」という写真の存在については比較的最近知った。フランス語の男性名詞の「卵 (L'Œeuf)  」と女性名詞「貝殻 (la Coquille)」の突然の強制的な出会いは、ロートレアモン伯爵の「マルドロールの歌」の一節「解剖台の上でのミシンと蝙蝠傘の不意の出会いのように美しい」を思い出させる。それは「卵」の男性器を無理やり「貝殻」の女性器に咥えさせる、交接の瞬間を見せられているようにも感じる。そもそも「卵」は母性をも示し両性具有的な存在なのかも知れない。「卵」の殻と「貝殻」はともに白い殻で同質なのだから。

このモノクロ写真も ColouriseSG でカラー写真にしてみた。モノクロでは「卵」と「貝殻」を支える細い指は女のものであることを疑わなかったが、カラーにすると腕は毛深く、この指はもしかすると男のもの、マン・レイのものなのかも知れない。

L'Œeuf et la Coquille

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