文化大革命の時代に「造反有理」を叫ぶ紅衛兵たちが知識人に被せた三角帽子は、中世スペインのカトリック教会による「異端審問」で異端者に冠せられた「コロザ」と呼ばれる帽子に由来するとも言われる。スペインの画家、ゴヤやベラスケスが異端審問を題材にした絵画を残しており、これを見ると、カトリック教会の行った迫害は、紅衛兵が知識人をいたぶったサディスティックな仕打ちと大差がないように見える。いや、半世紀前の中国で、中世の異端者狩りに類似することが公然と行われていたことの方が驚きである。
なお、中国共産党は一切の宗教を否定しており、中国は建前上では無宗教国家である。そのため彼らが「異端審問」という宗教儀式、それもカトリック教会にとって過去の恥ずべき蛮行を模して20世紀に再現したとはとても思えないのである。三角帽子の由来については引き続き調査を要する。
Francisco Goya ’The Inquisition Tribunal’
Francisco Goya ’A Procession of Flagellants’
Eugenio Lucas Velazquez 'Condemned by the Inquisition'
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