2020年3月23日月曜日

偉大なアメリカのヌード

グッチのバラクラバ・ジャンパーの写真を見た際に頭を過ったのは、トム・ウェッセルマンの「グレート・アメリカン・ヌード」と呼ばれる一連の作品群であった。ウェッセルマンは、アンリ・マティスのように裸体を肌色でベタ塗りして、目や鼻は描かずに、髪と陰毛、乳首と口唇と陰唇を、それぞれ別の色で塗り分けている。正直に言うと、グッチのセーターは、これら著名なポップアートのある意味古典的なポーズをとる裸体の「口唇」と、陰毛から覗く「陰唇」のコンビネーションを想起させたのだった。本来ならば赤い口紅を塗った唇のある場所には、まわりに毛の生えた性器があって、その唇の間からはまた別の唇が覗いている。目眩く妄想。

  


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